「ペダリング動作における体幹および股関節周囲筋の筋活動」という論文が2004年04月23日に公開されいます。
この論文では、自転車の負荷やケイデンスを増加させた時に、どの筋肉がどれくらい使われるのかをRFEMGを使って測定し、その結果を公開しています。
まず、どのような状態で測定したのかが書かれています。
- 膝屈曲30度、体幹の前方傾斜角度を60度
- 負荷量は、1.0kp、2.0kp、3.0kp
- ケイデンスは、60rpm、120rpm
測定結果
負荷量とケイデンスを変えて測定した結果(RFEMGの%)です。
- 脊柱起立筋(脊柱の背側に位置する筋肉である):9.4~22.3%
- 腹直筋(腹部の中央にある平たく長い筋肉):21.4~80.7%
- 外腹斜筋(腹壁外側部を走る側腹筋の一つ):28.9~74.4%
- 大殿筋(臀筋の中で最大の筋肉):12.1~46.2%
- 中殿筋(大臀筋の下にある筋肉):7.2~30.9%
- 大腿筋膜張筋(大腿筋の表面を包む、発達した厚い筋膜):9.1~37.4%
- 大腿直筋(大腿四頭筋の一つ、大腿の前面にある。):15.4~39.9%
- 半膜様筋(ハムストリングのひとつ):13.2~40.7%
ケイデンスをあげると、全て筋活動量は増加したとあるので、高ケイデンスでのトレーニングはダイエットにもききます。
負荷をあげると、外腹斜筋を除く全ての筋活動量が増加し、負荷量2.0kpとケイデンス120rpmでは、腹直筋と外腹斜筋は77.4~80.7%と高い筋活動量を示したとあります。
外腹斜筋は、負荷ではなく高ケイデンスによって鍛えられるようです。
脊柱起立筋と腹直筋は、負荷を1.0kpから2.0kpへ上げてもあまり変化はないと書かれているので、腹直筋も負荷よりもケイデンスからの影響を受けるようです。
大殿筋は、負荷を2.0kpから3.0kpへ上げてもあまり変化はないようですが、中殿筋と大腿筋膜張筋、大腿直筋と半膜様筋は、負荷を上げると筋活動量が増加とあるので、下半身の筋肉は、ケイデンスよりも負荷の影響が大きいようです。
調査にあがった筋肉は、どれも自転車で利用されている筋肉なのでトレーニングすることで、自転車をより正確にコントロールできるようになります。
それぞれの筋肉トレーニング方法は下記の通りです。
脊柱起立筋のトレーニング方法
脊柱起立筋のトレーニング方法は、バックエクステンション。
うつ伏せになった状態で、体をそらします。
腹直筋のトレーニング方法
腹直筋のトレーニング方法は、クランチやレッグレイズ。
クランチは、膝を90度ほど曲げた状態で仰向けになり、肩甲骨からみぞおちまでを丸めるように起き上がります。腹直筋上部を鍛えることができます。
レッグレイズは、仰向けの状態で寝ころび、脚はのばします。のばしたまま脚を上に持ち上げます。腹直筋下部を鍛えることができます。
外腹斜筋のトレーニング方法
外腹斜筋のトレーニング方法は、ツイストクランチ。
仰向けになり、脚を伸ばして浮かせた状態にし、手を両耳の後ろに添えます。上体を丸めるように起こして、右ひじと左ひざをつけるように曲げます。元に戻したら、今度は反対の左ひじと右ひざをつけます。
大殿筋のトレーニング方法
大殿筋のトレーニング方法は、スクワット。
スクワットのやり方は、肩幅よりも広めに足を広げて、つま先は45度外側に向けて、背筋を伸ばして足を曲げます。
中殿筋のトレーニング方法
中殿筋のトレーニング方法は、レッグランジ。
まっすぐ立ち、脚を前に出して、体をゆっくりと下げて戻します。下げた時に、出した脚の曲げた角度が直角に、後ろの脚も直角になる程度にします。
大腿筋膜張筋のトレーニング方法
大腿筋膜張筋のトレーニング方法は、ラテラルヒップリフト。
肘をついて、まっすぐに横向きに寝ころびます。お尻の横に力をいれて腰を持ち上げます。
大腿直筋のトレーニング方法
トレーニング方法には、大殿筋同様、スクワットなどがあります。
半膜様筋のトレーニング方法
トレーニング方法には、中殿筋、レッグランジなどがあります。