腸腰筋とは
腸腰筋は、腸骨筋、大腰筋、小腰筋という3つの筋から構成されており、総称して腸腰筋とよんでいます。
小腰筋は、退化しているのでほとんど機能しておらず、実質利用されているのは、腸骨筋と大腰筋です。
機能は、大腿直筋と同じく、股関節を屈曲させることです。イメージ的にはももあげやタイのニーキックのような動きです。
なぜ腸腰筋を使うの?
腸腰筋を使えるようになれば、大腿四頭筋やハムストリングスの筋肉疲労を軽減させることができます。また、体幹が鍛えられるのでロングライドができるようになります。
腸腰筋はどこで使うのか?
「関節角度の違いによる股関節周囲筋の発揮筋力の変化」という論文では、腸腰筋は、26.3Nm(伸転20°)、23.7Nm(屈曲0°)、23.6Nm(屈曲30°)、26.1Nm(屈曲60°)の屈曲トルクを有し、伸展域と深い屈曲位で高い値を示した。
とあります。
「関節角度の違いによる股関節周囲筋の発揮筋力の変化」
「腸腰筋の股関節を屈曲させる働き」という機能を考慮すると、ペダリングでは、引き足時に股関節の角度が60°になる時に最も力が働くととらえることができます。
腸腰筋でペダルを回す方法
腸腰筋は、大腿四頭筋のように見える場所にある筋肉ではないので、触って確認することが難しい筋肉です。また、大腿直筋も太ももを引き上げる作用をするため、引き足で作用します。大腿直筋を使わずに腸腰筋を意識するにはどうしたらよいかを紹介します。
大腿直筋を使わずに腸腰筋を使う方法
・上半身を倒し骨盤を前傾にする(骨盤が後傾だと股関節の角度が開き、力が入りにくい)
・引き足時に太ももの付け根を下っ腹につけるように意識して引き上げる(「ひざ」ではなく付け根を意識してひきあげることが大切)
・太ももに力がはいらない軽めのギアを使う(重いギアだと大腿直筋に力が入りやすくなってしまいます)
高ケイデンスでの練習がよいというのを見ますが、ひざ(大腿直筋)で引き上げると、高ケイデンスではギクシャクした動きになってしまい、きれいなペダリングができなくなるため、必然的に大腿直筋には力を入れない腸腰筋でのペダリングになるという流れからだと思います。ポイントがわかってきたら、高ケイデンスでの練習も効果があると思います。
また、股関節、腸腰筋の柔軟性も必要です。ストレッチなどで柔軟性をあげておくことも必要です。