自転車ロードレースで3大会連続で五輪に出場した順大大学院の沖美穂さんが、自転車界の女性の「股ズレ」について2017年修士論文にまとめています。
股ズレは、サドル、レーサーパンツ、肌がこすれて起きます。男性にも起きますが、女性のデリケートな部分とサドルとの位置が絶妙なポジションにあるため、腫れて痛みが出たり、ひどい時には陰部がただれたりするそうです。
8割が「股ズレ」の悩みを持っている
論文では、ガールズケイリンの選手100人にアンケートを実施した結果、8割が「股ズレ」の悩みを抱えており、内49人が再発しているとしています。
治療の相談をしたことがあるのは6割程度で、相談相手は選手仲間が半数近く、医者は約1割
上記のように多くの選手が、デリケートな悩みゆえに相談できずにいるようです。
論文では、
男性指導者への講習や選手教育、医療機関との連携、障害を軽減するサドルの開発など幅広い対策が必要
と結論付けています。
現時点での対策は?
選手ほどではないにしろ、自転車にのる人にとっては股ズレ問題は避けては通れません。のっている時間が長いほど、おきやすい問題です。
レーパンを変えもそれほど効果はないので、現時点での対策としては、予防クリームの使用や、穴あきサドルの利用で対策することになります。
予防クリーム
ロードバイクの股ズレ予防クリームとして、有名なのは「シャモアクリーム」です。
Assos(アソス)社が有名ですが、シャーミークリーム(スレ防止シャモアクリーム)は、140gで約3,000円と価格がやや高めです。
高く感じる場合は、通常の股ズレ防止クリームを利用する手もあります。こちらは比較的安い値段です。
そして、かなり安価なものとしておすすめできるのが、ワセリンです。
トライアスロンでもウェットスーツの襟や袖回りのゴムと肌のこすれる部分に使ったり、トライスーツの股ズレにも使われています。
価格は約350円と圧倒的なコスパです。
穴あきサドル
そして、もう一つの予防対策は、穴あきサドルです。こすれる部分を減らすことで改善できる場合があります。
男性でも、尿道・会陰部が痛くなる人は、穴あきサドルで痛みが改善されたケースが多くあります。
穴あきサドルで有名なのは、「ISM」「Selle Itallia」「Selle San Macro」などがあります。
この他、Sella SMP、Fizik、BBBなどいろいろなメーカーが穴あきサドルを出しています。
※Sella SMPに関しては、独特のフォルムをしているのでポジション出しに苦労します。
「Selle Itallia」
Wiggleなどの海外通販だと安く購入できます。
「ISM ADAMO」
ISM ADAMOにはいくつか種類がありますが、ROADは、サドルの横幅があるため最初は内股に違和感を感じます。しかし、なれてくると本当に尿道への負担がなくなるのでとても快適です。トライアスロンなどの長距離で利用されています。
>>>ISM ADAMOサドルの詳細についてはこちら
【まとめ】股ズレ対策
トップクラスの選手ともなれば、男性と同じように競技するため、女性ならではの悩みがあります。
また、女性に限らず長く自転車にのっていると男性にも同じく股ずれがおきます。
快適にライディングするためには、一番は自分にあうサドルを見つけることが重要です。サドル沼は誰もが通る道です。
そのうえで、クリームで補助対策することで快適なライディングができるようになります。