股関節の可動域
トライアスロンのバイクポジションで大切なのは、エアロポジションで空気抵抗を減らしつつ、快適に乗れてスムーズにペダルに力を伝達できることです。
快適にのるには、まず、「股関節の可動域を確保」することです。
可動域を確保する方法の一つは、「サドルを前に出す」「サドルを上にあげる」があります。
サドルを前に出すことで、上体が起きるので、可動域が広くなります。また、サドルを上げることで、上死点を通過する時に、上体と脚の可動域を広げることができます。
また、クランクを短くすることで、サドルを上げたときと同じ効果(上体と脚の可動域を広げる)が得られます。
空気抵抗を意識するあまり、脚がお腹に近すぎると、股関節の可動域が小さいため、ペダリングがスムーズにいかずに、パワーロスしてしまいます。
肩とひじの位置
サドルを前に出しただけだと、今度は、背中が丸まってしまい窮屈になってしまいます。
また、サドルとエアロバーが離れすぎていても、上体がのびきってしまい、上体を維持するのに力を使ってしまうため、力がスムーズに脚に伝わりません。基本的には、肩とひじの位置は垂直になっていたほうが楽です。
エアロバーの向きによって、上体と腕を近くまたは遠くにでき、遠いと上体が伸び、近いと上体が縮まります。
エアロバーを上に向けると、腕を上体の近くに持ってくることができ、下に向けると、腕を上体より遠くに持っていくことができます。
ただし、角度がつくと、疲れるてしまうことが多いので、できるだけ、エアロバーは水平な状態でポジションだしをしましょう。
肩とひじの位置は、以下の方法でも簡単に見極めることができます。
まず、四つんばい(うつぶせ)になり、ひじをついて状態を支えます。ひじを前に移動したり、後ろに移動したりして確認してみましょう。
チェックポイント
TTバイクのポジションを参考にする場合は、ツールドフランスよりもアイアンマンハワイなどのポジションを参考にしましょう。
ツールドフランスの場合は、距離が短くポジション規制などもあるため、長距離走るための最適なポジションとはいえません。
また、下記を参考に、自分のポジションのチェックをしてみましょう。
チェック ポイント | 原因 | 修正方法 |
---|---|---|
ペダリングにブレがある | ヒザが横にひらいたり、腰や上体が動く場合は、股関節の可動域が狭い。 | 股関節の可動範囲を広げる。 |
短時間で脚が疲れる | 股関節の可動域が狭い。 | 股関節の可動範囲を広げる。 |
腰が痛い | サドルとエアロバーの位置が遠すぎて腰に負担がかかっている。 | サドルとエアロバーの位置を近づける。 エアロバーの角度を調整する。 |
肩・首が痛い | 肩とひじの角度が垂直でなく、ひじに荷重されていない。 | エアロバーの位置や角度を調整する。 |
股間が痛い | エアロバーが遠く骨盤がねてしまっていて、圧迫されている。 サドルの前に乗りすぎていて、圧迫されている。 | エアロバーの位置や角度を調整する。 サドルを穴あきに交換する。 |