Mt.富士ヒルクライム(富士ヒル)は、毎年6月前半に開催され、一般の人も参加できる人気のあるロードバイクヒルクライムレースです。
エントリーは3月くらいからはじまり、約10,000名の枠が用意されていますが、一般エントリーで参加権を勝ちとるのは結構大変です。
そしてMt.富士ヒルクライムに出るからには「ブロンズをクリアしたい!」という人もいると思います。
「ブロンズ」とは、完走タイムが90分を切ることで、参加記念にもらえる「フィニッシャーリング」がブロンズ色になります。
フィニッシャーリングは、完走タイムによって色が変わり、次のようになっています。
- ブルー:完走した人全員
- ブロンズ:90分(1時間30分)切り
- シルバー:75分(1時間15分)切り
- ゴールド:65分(1時間5分)切り
- プラチナ:60分(1時間)切り
脱初心者として90分切りを目指したいですよね。
そこで、この記事ではMt.富士ヒルクライムで、ブロンズを目指すための攻略方法について紹介します。
Mt.富士ヒルクライム攻略方法
Mt.富士ヒルクライムのコースは、富士北麓公園からスタートして富士山五合目までをのぼります。
タイム計測開始からフィニッシュまでの距離は24kmですが、スタート地点からから計測開始地点(料金所手前)までは1kmあるので実際に走る距離は25kmです。
標高差は1,270mで、こちらは計測開始地点からだと1,255mになります。
平均勾配は5.2%で、一般参加できるヒルクライムレースの中では比較的緩い部類に入ります。
10%を超えるような激坂もなく、最大7.8%です。また、勾配に細かな変化はあるもののそれほど大きくはかわらないで、ヒルクライム初心者でも走りやすいのが特徴となっています。
そして、重要なのが「序盤で飛ばしすぎないこと」です。
中盤の勾配が変化する場所をできるだけ疲労しないで抜け、終盤の平坦区間でスピードを維持するのがポイントなので、序盤で疲弊しないように注意しましょう。
以下から、コースを序盤、中盤、終盤に分けて、それぞれの攻略法を紹介していきます。
序盤コース攻略のポイント
序盤はがんばりすぎないこと。
Mt.富士ヒルクライムでは、富士スバルラインの料金所手間からタイム計測が始まります。
そのため、つい料金所からガンガンペースを上げてしまいがちですが、コース全体の平均勾配は約5%なのに比べ、料金所付近は7%と勾配がきついため、ペースをあげすぎないように注意しましょう。
中盤コース攻略のポイント
中盤の勾配の変化はダンシングでクリアしましょう。
2合目手前にある7%近い勾配区間を過ぎると、つづら折りのコーナーが続く区間に入ります。
このあたりは、コーナーをクリアするたびに勾配が4~6%と細かく変化するため、一定のペースを維持して走るのが難しくなります。
攻略のポイントは、勾配変化に応じて細かくシフティング(ギアチェンジ)をしたり、ダンシングとシッティングをうまく使い分けたりして、疲労をためないようにしましょう。
90分ぎりを目指す場合は、短めの急勾配はダンシングで重めのギヤのままクリアし、スピードを維持する方がタイム短縮できます。
終盤コース攻略のポイント
終盤は追い込んでタイムを短縮します。
4合目を過ぎすると、最大の難所であり、最高急勾配の7.8%の山岳賞区間になります。
ここを過ぎれば、後はゴールまで、勾配が約1%の緩斜面区間が約2kmほど続きます。
精神的に脚を止めて休みたくなりますが、90分ぎりをめざすなら、この区間で最低でも時速30kmをキープしましょう。
余力があれば、フロントギヤはアウターにいれて、下ハンドルを持って身体をコンパクトにし、空気抵抗を最大限に減らすエアロフォームで攻めるのがおすすめです。
ゴール直前には、短いながらも心臓破りの坂が待っているので、なるべくこの区間でスピードをのせてクリアするのがいいと思います。
ブロンズ90分切りのためのペース配分
実際のコースは、場所によって勾配が変化しているため、急勾配区間もあれば、比較的ゆるやかな区間もあります。
それらを考慮しないで、平均時速から各区間のペース配分を算出してしまうと、急勾配でめちゃくちゃ頑張らないといけなくなってしまいます。
そうならないために、下記の表で勾配を考慮した90分ぎりのための各区間の通過タイム目安を作りました。
距離 | 通過タイム | 平均速度 |
---|---|---|
5km | 0:20:51 | 14.3km/h (5kmまでの区間) |
1合目(5.6km) | 0:22:49 | 18.3km/h (5km~5.6kmの区間) |
2合目(9.0km) | 0:35:58 | 15.5km/h (5.6km~9kmの区間) |
10km | 0:39:31 | 16.9km/h (9km~10kmの区間) |
3合目(12.8km) | 0:51:25 | 14.1km/h (10km~12.8kmの区間) |
15km | 0:58:30 | 18.6km/h (12.8km~15kmの区間) |
4合目(17.8km) | 1:09:26 | 15.3km/h (15km~17.8kmの区間) |
20km | 1:17:53 | 15.6km/h (17.8km~20kmの区間) |
FINISH | 1:30:00 | 19.8km/h (20km~24kmの区間) |
フィニッシュギリギリが90分なので、余裕を持ってクリアするなら、5kmごとの通過タイムを15~30秒程度早くできれば、ブロンズクリアに近づきます。
Mt.富士ヒルクライム公式サイトには、88分でブロンズクリアするための参考通過タイムがでています。
初心者でもブロンズはクリアできるのか?
初心者でもブロンズクリアは可能ですが、なんのトレーニングしないでクリアするのは無理だと思います。
平均勾配約5%の坂を14km/hでのぼってみると分かりますが、平地を巡行25km/hくらいの人がトレーニングなしではしっても持ちません。そのため、トレーニングは必須だと思った方がいいです。
トレーニング場所としては、関東圏であれば大垂水峠やヤビツ峠、和田峠(相模湖側から)がよく使われていますが、近くに長い坂がない場合は、平均勾配が同じくらいの1~5kmくらいの坂(約5%)を繰り返しのぼる練習でも効果があります。
ガーミン(GARMIN)Edge 130 Plus
トレーニングには欠かせないのがサイコンです。
おすすめは、ガーミン(GARMIN)Edge 130 Plusです。軽量コンパクトなGPS搭載サイコンで、特にコース中のヒルクライムのための「ClimbPro機能」が便利です。
「ClimbPro機能」は、残り距離や勾配の情報をリアルタイムでチェックでき、ヒルクライムのペースマネジメントに活用できます。
まとめ:Mt.富士ヒルクライム攻略
Mt.富士ヒルクライム攻略の方法とペース配分を紹介しました。
ペースを維持することが重要なので、各区間の通過時間を紙に書いてロードバイクのトップチューブなどに貼り付けて見比べましょう。
また、自身の体重を軽くしたり、ロードバイクをできるだけ軽量化させて、ヒルクライムマシンにするのも大切です。